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男と女の「おかしな!?」ハナシ

え!?女性のアナタが“長”?

社会が慣れていない?

あなたの身の回りにも時々起こる、
「これってどうなの?」
「おかしくない?」という話。
このコーナーでは、毎回、
「男と女のちょっとおかしな!?ハナシ」を、つぶやいてもらいます。

え!?女性のアナタが“長”?

今回のつぶやき主は、チャコさん。
高校の同窓会の帰りに、生徒会活動をしていた仲間と
近況報告をしています。
チャコ(所長):高校時代は部活も楽しかったけれど、生徒会活動は本当に良い思い出よね。
 先生を説得して新しいルールを作ったり、体育祭で盛り上がったり。
 生徒会役員をしていた仲間は、今もそれぞれ活躍してるって?

ユミリン(体育教師):今日は欠席やけど、市会議員してるシューコは、市議会の議長になったらしいで。
 私は、中学校で体育の教師をしていて、今年から学年主任もやってるねん。

サッチー(PTA会長):女性の学年主任って、風当りキツクない?
 私は、娘の中学でPTA会長をしてるんだけど、会長に立候補したら、ほぼ全員から「会長だけは男性で・・・」という目で見られた。
 田舎だからねぇ~(笑)。
チャコ(所長):私は会社の中の研究所で、所長をしてるんだけど、初めてのお客さんは、まず部下の男性に名刺を渡されるわ。
 名刺の肩書を見て、あわてて謝られるけど(笑)。

サッチー(PTA会長):私たちは女子高で、女子が会長や委員長をするのが当たり前だったけど、社会に出ると、女性の「長」って少数派だから、一瞬「えっ!?」っていう顔で見られない?(笑)

ユミリン(体育教師):教師って、男女平等の世界と思うやろ?
 でもな、教師の中にも「女が上に立つな」という顔をする人がいるから驚くわ。
 シューコも「アナタが市議会議長!?」って、わざわざ言われるって。

チャコ(所長):ウチの研究所には女性の上司がいなかったから、しんどいことも多かったけど、後輩には女性がたくさん入って来てね。
 「先輩みたいになりたいです」って言ってくれる子もいるから、できるだけ前向きでいようと思ってる。

サッチー(PTA会長):みんなそれぞれ、がんばっているよね~。
 また集まっておしゃべりしよう!
◆ユミリン(体育教師)のつぶやき・・・
同じ立場でがんばってる女性が周囲に少ないから孤独を感じてたけど、今日は昔の仲間と話ができて、本当に楽しかったわ。
分かってもらえる人の存在って、ホンマ大きいなぁ。

◆サッチー(PTA会長)のつぶやき・・・
少数者だったり、モデルがいなかったり、初めてだったりすると、人は驚いたり違和感を感じたりするのよね。
同じことをしているのに、ことさら「女性だから」と言われると、「男女ってそんなに違うんですか!」と反論したくなるわ。
地域の重鎮には、歯向かえないけどさ(笑)。

◆チャコ(所長)のつぶやき・・・
高校の時は、会長や委員長としてみんなをまとめていたし、留学先では「あなたはどう思うの? もっと自分の意見を言いなさい」と言われていたのに、日本の社会では、必要以上に「男女」で対応が違うのよね。
それって、社会が女性の「長」に慣れていないだけよね?
慣れてもらうためには、少数者じゃダメってことよね?
いろいろあるけど、良い前例と言われるようにがんばるわ。
ミニ知識   
 
【無意識のバイアスは、意識的に取り払う】
帝人の社長・鈴木純氏は、「女性の登用」について次のように取り組んでいると述べています。
『帝人の女性活躍推進は、トップダウンで推進されてきたが、職場においては、「女性の登用」について、上司側からも女性側からも、「無理なんじゃない」という無意識のバイアスがあった。
これは意識的に、取り払う必要があると考え、早期より数値目標をもち、ポジティブアクションに取り組んだ。
制度を整えることと同時に、育成にも力を入れることで、15 年の取組の中で、女性管理職が10 倍に増え、子育てと両立する土壌もできた。
女性活躍推進は、一朝一夕では、実現しない。継続することが重要だと考えている。
帝人株式会社 代表取締役社長執行役員 鈴木 純』

(『「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」行動宣言賛同者による女性の活躍推進報告書』より 平成28年12月 内閣府男女共同参画局 発行 http://www.gender.go.jp/policy/sokushin/pdf/male_leaders_report_jp_2016.pdf

横からちょっと言わせて

神戸大学名誉教授・前附属病院薬剤部長<br>生まれも育ちも伊丹の 平井みどりさん
神戸大学名誉教授・前附属病院薬剤部長
生まれも育ちも伊丹の 平井みどりさん
2007年に前職に就いた時、全国の国立大学附属病院の中で、女性の薬剤部長は一人だけでした。
その後3人になりましたが、全国で42校の国立大学医学部がある中で、3人とは極めて少数です。
薬剤師に女性が占める割合は60~70%ですから、その比率から見ても非常に少ない。
仕事内容からみて、女性に無理な仕事というわけではありません、極端に力を必要とする肉体労働というわけではないので。
一般的に看護師以外の医療職は、管理職としての教育は受けていません。
そのため、前職に就任した時は急に多くの部下ができて最初は戸惑いました(それまでは、少人数のスタッフと学生、という研究室で仕事していたので、大人ばかりが50人もいるという環境はかなり違和感ありでした)。
有能な副部長や薬剤部員に助けられて、10年の任期を何とか全うできた訳ですが、一人では何もできないということを痛感した10年間でした。
女性は人に頼むのが上手くない、つまり自分でやったほうが早いので、他人に頼まずやってしまう傾向にある人が多いようです。
自分もそういうところはありましたが、大学病院での仕事は多岐にわたり、量も多いので、止むを得ず他人にお願いすることが増え、結果的に皆さんそれぞれにお任せする、何かあったらその時は自分が責任をとる、という体制で行かざるを得ませんでした。
病院内での仕事に関しては、女性だからやりにくいとか、やりやすいとか、意識したことは殆どありませんでした。
ただ、学生教育に関する仕事で、他の男性教員がやりたがらないこと、やってもすぐに逃げてしまうようなことが、気がついたら自分が責任者になっていた、ということがしばしばあり、でもこれは女性だからというのではなく、逃げ足が遅くて鈍臭い自分の性格の問題ですね。
原稿担当 : NPO法人 あなたらしくをサポート(愛称:らしーく)
イラスト : 林やよい
 

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