ＧＯ！ＧＯ！オリックス・バファローズ
華やかなスポットライトを浴びる選手たちの活躍の陰には、必ずそれを支える裏方さんたちの努力があるはず。
そんな裏方さんたちのインタビューシリーズです。 （ｂｙ チャリンコＫ）
第１１回 アシスタントスタッフ兼スコアラー 山田真実（まさみ）さん
今回のインタビューは、
打撃投手の山田さんです！
高校からドラフト２位で近鉄バファローズ入団
－ こんにちは、山田さんはじめまして。
ホームゲームでの練習時間が終わったところということで、お忙しい中ありがとうございます。
まずは、山田さんの野球歴からお聞きしたいのですが。
大阪生まれで、小学校・中学校は軟式をやっていました。
高校は、和歌山の高野山高校に入学するのですが、特に野球でということではなく、普通に受験して入っています。
当時の和歌山県は箕島、智弁和歌山などがトップクラスで、うちの高校は２番手から３番手グループで、トップとは実力差がありました。
高校２年の夏の予選で、優勝候補と対戦して負けたのですが互角の戦いをして、その時に相手校の有力選手を見に来ていた近鉄のスカウトが私に注目してくれたようです。
その後も私のプレーを追いかけてくれて、社会人野球の内定をもらっていたのですが、上位指名ならプロへという条件を付けさせてもらいました。
会社の方は（私自身も）、まさか上位指名されることは無いと思っていたので、
「あぁ、いいですよ」
という感じだったのですが、ドラフト会議で驚きの２位指名になり、近鉄バファローズに入団することになりました。
－ プロに入った時の感想はいかがでしたか？
正直、プロのピッチャーのボールはこんなに凄いのかと思いました。
球速は自分がそれほど負けていないのですが、キレが全く違いました。
いわゆるホップすると言われる感じですね。
－ その後の、プロでの選手生活は？
当時は、左の村田辰巳さんがエース格で、大エースの鈴木啓示さんは引退していて、
チームはあまり強くなく若手投手にもチャンスがある状況でした。
その中で、私は一軍に定着することはできず、一軍と二軍を行ったり来たりのエレベータ選手でした。
今振り返れば、コーチに言われるがままのフォーム修正をして、それがしっくり来ないままに
練習を重ねたりしていたのをもっと自分なりの考えにこだわってやれば
一軍で勝つことができたかもしれなかったという思いはあります。
１０年の現役生活から打撃投手へ
－ 現役を引退された時のことを教えてください。
１０年間の選手生活だったんですが、なかなか思うような成績があげられず、９年目のオフには、クビかもしれないと覚悟をしていました。
その時は、１０年目も頑張れと契約してもらえました。
ただ、１０年目のシーズンも結果が出ず、夏頃には自分の中では契約が無いことを確信していました。
シーズン終了後の１０月初旬に球団に呼ばれて、
「打撃投手をやらないか？」
と言われた時は、うれしかったですね。
自分の中では気持ちの区切りはついていたし、好きな野球の仕事が続けられるということで。
それに結婚してまだ１年くらいだったので、生活のこともありました。
それから１７年間、ずっと打撃投手を続けています。
現役選手の時以上に緊張感を持って仕事をしています
－ 「打撃投手」という仕事は、練習に投げるということはわかるのですが、もう少し詳しく教えてください。
文字通り、打撃練習のために投げるのですが、バッターは４人１組で打撃練習をすることが多いので、その１つのグループに投げます。
約２０分くらいですが、１分間に６球のペースで投げるので、１２０球になります。
キャンプの場合は、もう少し長くて３０分くらいになる時もあります。
１日の投球はその時間だけですが、自分が投げない時は、ノックの送球を受けたり
練習の手伝いをすることも仕事なので、練習時間中は、常に何らかの役割があります。
グランド以外でも役割分担があって、試合中のスコアを付けたり、他チームの投手の資料をつくったり
というのを８人程度の打撃投手で分担しています。
試合中に役割分担もあったりしますし、やはり試合が気になるので、できるだけ観戦するようにしています。
－ 典型的な一日のスケジュールを教えてください。
ナイターのホームゲームの例を話します。
朝は、なるべく家族（奥様・二男一女）と一緒の時間を過ごすことを大切に考えているので、６：３０には起きて食事を一緒にします。
早出の特打ち練習に間に合うように、１３：３０頃にはグランドに入って、選手たちと一緒に自分もアップしたり、手伝います。
それから順番に練習が始まって、Ａ組と呼ばれるレギュラー格の打撃練習は１５：００頃から始まるので、私は主にそこで投げています。
ホームチームの練習は１６：００までで終了して、シャワーを浴びて着替えた後に、グランド以外の担当の仕事を行ないます。
－ 打撃投手の難しさはどういったところですか？
皆さんから見れば、全力で投げるわけではないので簡単に思うかもしれませんが、とても神経を使います。
もちろん、大事な選手にデッドボールを当てないようにするのが最大の注意点で、幸い私は今まで一度も当てていません。
ただ、内角打ちの練習をしたい選手には、そこへ投げないといけないので非常にプレシャーは大きいです。
試合では、どんどん新球を使うのでいつも良い状態のボールですが、練習球は何度も使ううちに変形したり傷がついたりして、予想以上に大きく変化したりします。
特に風が強い時は大きく影響を受けます。
そのような環境の中で、選手ひとりひとりから調整方法に細かい注文が付くので、精神的には本当にきつい仕事です。
打撃投手でイップスになって、投げられなくなった人は何人もいるんですよ。
それと、私たちは１年ごとの契約で、自分の体が資本なので、体調管理にも大変気を遣います。
－ 逆に、打撃投手の喜びは？
それはやっぱり自分が調整で投げた選手が試合で打って、チームが勝つことですね。
それが一番です。
－ 今年のチームにひとことお願いします。
全体に若い選手が多いので、メンタルの上下が激しくて、それが連勝・連敗につながってしまうのが、今のうちのチームです。
強いチームは１００のうち常に８０くらいの状態を一年間キープできるんですよね。
ぜひ、うちのチームも成長して、優勝してもらいたいです。
－ 今日はありがとうございました。
打撃投手の大変さに初めて触れた気がします。
体調管理に気を付けて、まだまだ長く打撃投手を続けてください。
山田さんおすすめのお店
神戸市兵庫区の地下鉄上沢駅から北へ少し行ったところにある
もつ鍋「やま本」
私と同じ年に阪急ブレーブス入団して４２年会の仲間、山本誠さんのお店です。
とても人気のあるお店で、何でもおいしいので、一度行ってみてください。
あえて、使用済みの汚れ付き！
球団からのプレゼントです！ 「バファローズ練習球」を抽選で限定１名の方へ。
「バファローズ練習球」と明記して、この記事へのご感想・山田さんへのメッセージなどをお書き添えください。
締め切りは ８／１９（金）１７：００
プレゼント応募は→コチラから
※応募は締め切りました ※お名前、郵便番号、住所、メールアドレスを必ず書いてください。
【ユーザーからの応援メッセージ】
山田さんが現役時代メガネをかけておられ、当時中学生だった私は、藤井寺球場外野ブルペンのトイレから出てこられた山田さんに聞こえるように、「誰やねん!?あのメガネ!」と言ってしまいました…約20年前の話ですが、あの時の罵声をどうぞお許しください。大変なお仕事ですが、お体に気をつけて、どうか頑張ってください。20年前言えなかったので…月並みですが『頑張れ背番号101!』(板さん)
普段ではなかなか気付くことのできない、打撃投手の大変さが伝わってきて、とても楽しかったです。月末福岡へいきます。ホームゲームでは見れない101番の投球を楽しみに行きます。(タカ）
裏方さんシリーズ、普段私たちが知ることのないいろんな裏方さんがいるんだと分かりとても興味深く読ませてもらっています。野球が好きな息子も、選手は無理でも裏方さんになれればいいな・・。（らすたー）
頑張れ！！！（407号線）
Ｔ－岡田～がんばれ、山田さんも応援してます（紀和龍）
僕も中学（ボーイズ）で野球をしています。とてもいい話で、ますますプロに入りたい（必ず入ります）と思いました（プラス）
これからも素晴らしい裏方さん情報の提供を心から希望します（ゆめおいびと）
バッティングピッチャーのことがよくわかり楽しく拝見しました（女美子）
私は社会人野球時代に肩を故障し満足な野球人生を送る事が出来なかったので山田さんのように選手の手伝いが出来る事は素晴らしいし羨ましく思います。息子の高校野球も終わってしまい今は後輩の練習風景を見る事しか出来ませんが。又、これからも山田さん頑張って下さい（井上）
バッファローズが大好きで、いつも応援しています。バッファローズの活躍の裏にいろいろな人のお力があるということがわかりました。とても親しみが持てました（ゆきんき）
プロ野球のきびしさや面白さがよくわかりました（あんず）
裏方さんの仕事シリーズは大好きです。バッティングピッチャーの仕事がよくわかりました（まあくまあくまあく）
がんばってください（ヒデ５５）
いつも楽しみに見ています。これからも応援しています（Ｍタク）
打撃投手の大変さを知ることができました。すごく参考になりました（壬生山羊）
面白かったです（淡海）
野球選手の、苦労とアドバイスが書かれていたので勉強になりました。（ＭＫＴ）
裏方さんのお話が聞けるというのはとてもいいことで、ぜひ子供たちにも教えたいです（よっちゃん）
これからも頑張ってください（太陽にほえろ！！）
選手がプレーできるのも、裏方さん達の努力があってのもの。さらには、それで選手がいいプレーをすれば、ファンはもっとよろこびますね。がんばってください（セルジオ苺）
